隙なしハイスペ女子大生は恋愛偏差値が低すぎる。
亜衣
鬱陶しい空模様の続く日が幕を閉じ、本格的に夏に入る頃。大学の試験も終わり、夏休みになった。
俺は、去年の夏休みと同じようにバイトをし、空いた時間でサークルに顔を出したり友達と遊んだりして過ごしていた。
あれっきり斉木さんとは話すことも連絡を取ることもない。だからきっと次に顔を合わせるのは2ヶ月後、後期が始まる9月の終わり頃だろう。詳しいことは結局わからないままだが、ヨリを戻したあの男性と上手くやっていっているのだろう。
そう、特段変わったこともなく、ただ斉木さんのことを意識する前の生活に戻っただけだった。
そんな折、地元の高校時代の友達が数人東京に遊びに来るという連絡が入った。帰省する度に、仲の良かった男友達とは会っていたが、今回は女子も含めて5人ほどで旅行に来る計画らしい。せっかくだからと東京で一人暮らししている俺にも連絡をくれ、どこかのタイミングで一緒にご飯でも食べようという話を持ちかけてくれたのだ。
(亜衣もいるのか…)
そのメンバーの中には遠藤亜衣も含まれているようだった。
亜衣とは、高校時代のほとんどを一緒に過ごした元カノで、大学進学をきっかけに別れることになった。正直なところ、良い別れた方をしたとは言えない。そして、その別れ話をきっかけに長いこと会っていなくて、これが久しぶりの再会となりそうだった。
どんな顔をして会えばいいだろうかとちょっと面倒な気持ちもあったが、さすがに別れて1年以上経つ。きっと向こうだって友達として接することだろうと、そこまで深く考えてはいなかった。