重いけどいいの?お嬢サマ
振り返れば、テラス入口から執事が四人、顔を出していた。
慧が手招きすれば、小走りの春夏冬さんを先頭にこちらへとやって来る。
「どうしたんだ?」
「昼休憩後、すぐに交流会についての集まりがありますので、私たちはお嬢様方と合流をしに参りました」
会釈をする秋葉さんに合わせ、かなやいも頭を下げ、春夏冬さんがワンテンポ遅れる。
いつものごとく、秋葉さんはしっかり者だ。
「あー……集まり、集まりね」
「忘れておりましたね」
「集まりのことは、な。でもたった今、美青と交流会の話をしていたところなんだ」
「そうでしたか。にしても集まりのことは昨日お伝えしていたのに──」
慧が秋葉さんから注意されてる最中、ポケットの中のスマホが震えた。
確認すれば、それはここにいる奏矢と矢絃から。どうやって……
でもこの二人なら出来るのか。寮で彷徨いても警備員に見つかってないし。
内容はっと……
"交流会断固反対"
"オジョー仮病つかお"
三人のグループから、そんなメッセージが。
読み終え、かなやいに目を向けるも、今は執事モードだからただにこりと微笑まれるだけ。
……ほんと、オモテとウラの使い分けがうまいんだから。