重いけどいいの?お嬢サマ
──朝の慧が見当たらない件でドタバタして、なんだか私まで慌てたような気持ちで支度をし学園へ。
あの後慧を見送ってすぐ、私が部屋を走り回るうち、かなやいはベッドを整え、カーテンをあけ、執事としての朝のルーティンをこなすも……
矢絃はすぐベッドへと腰掛け、凄い嫌そうな顔と目が合った。
『オジョー、風邪引いて』
『え?』
一瞬、なんでそんなことを?と思うもすぐに意味が分かった。
『あのねぇ……はいわかりましたーって引けるものじゃないし、欠席したらしたで何言われるか……』
『ゴミ箱に紙ぶち込むほどノリ気じゃねぇのに?仮病でいいだろ。その日くらい』
私が捨てた用紙に目をやりながら、奏矢まで仮病を使えと言う。
『行くって。慧と昨日話して、爆食することにしてるの。慧もノリ気じゃないし、お坊ちゃんを寄せつけないようにすればいい話よ』
『……そいつはどうだかな。俺や矢絃、執事はずっとそばにいられるわけじゃねぇし』
『オジョーたちとお坊ちゃんの邪魔しないように、適度な間を保てーみたいなことオレらは言われたしね』
……と、なると交流会が終わるまでずっと私と慧が頼れるのは互いのみ。執事はいれど、お坊ちゃんとの交流には割って入れない。そういうことだ。