重いけどいいの?お嬢サマ


──朝の慧が見当たらない件でドタバタして、なんだか私まで慌てたような気持ちで支度をし学園へ。


あの後慧を見送ってすぐ、私が部屋を走り回るうち、かなやいはベッドを整え、カーテンをあけ、執事としての朝のルーティンをこなすも……


矢絃はすぐベッドへと腰掛け、凄い嫌そうな顔と目が合った。


『オジョー、風邪引いて』

『え?』


一瞬、なんでそんなことを?と思うもすぐに意味が分かった。


『あのねぇ……はいわかりましたーって引けるものじゃないし、欠席したらしたで何言われるか……』

『ゴミ箱に紙ぶち込むほどノリ気じゃねぇのに?仮病でいいだろ。その日くらい』


私が捨てた用紙に目をやりながら、奏矢まで仮病を使えと言う。


『行くって。慧と昨日話して、爆食することにしてるの。慧もノリ気じゃないし、お坊ちゃんを寄せつけないようにすればいい話よ』

『……そいつはどうだかな。俺や矢絃、執事はずっとそばにいられるわけじゃねぇし』

『オジョーたちとお坊ちゃんの邪魔しないように、適度な間を保てーみたいなことオレらは言われたしね』


……と、なると交流会が終わるまでずっと私と慧が頼れるのは互いのみ。執事はいれど、お坊ちゃんとの交流には割って入れない。そういうことだ。
< 148 / 234 >

この作品をシェア

pagetop