重いけどいいの?お嬢サマ
言い終えた一言。
慧の顔は可愛らしく染まっていた。
「……そう」
「え、そうって……それだけか!?もっと、え!?とか誰!?とかないのか!?」
私のリアクションに慧は驚き前のめりになりながら私を見る。
「勿論、驚いてるわ。だけど、驚きを越して逆に冷静になってるというか……一応、聞くけど相手は?私が知ってる?」
「も、勿論知ってるさ」
前髪を直したり、座り直したり、落ち着かない様子。
正直、好きな人が出来たかもと言われたのには驚いたけど、すぐに思いついた人物もいたから、え!?とはならなかった。
「なるほど。……どっちかしら」
「ど、どどっちって……」
「噛みすぎよっ慧」
あまりにも慌てるからテーブルのティーカップが揺れる。
「悪い……でもっこんな恋愛話したことないからなんか、熱いやらかゆいやらで」
「それは分からなくないけど、慧は相手のどこに惹かれたの?」
「……か、かわいい?っていうか、おっちょこちょい……って褒めるとこじゃないよな。えっと……」
なるほど、なるほど。
これはもう分かった。
「春夏冬さん、かわいらしいものね」
「……っ!?」
にこりと笑って告げれば、ガタンッ!と椅子から落ちそうになった慧。……さっきから動揺がすごい。