重いけどいいの?お嬢サマ


言い終えた一言。

慧の顔は可愛らしく染まっていた。



「……そう」

「え、そうって……それだけか!?もっと、え!?とか誰!?とかないのか!?」


私のリアクションに慧は驚き前のめりになりながら私を見る。


「勿論、驚いてるわ。だけど、驚きを越して逆に冷静になってるというか……一応、聞くけど相手は?私が知ってる?」

「も、勿論知ってるさ」


前髪を直したり、座り直したり、落ち着かない様子。
正直、好きな人が出来たかもと言われたのには驚いたけど、すぐに思いついた人物もいたから、え!?とはならなかった。


「なるほど。……どっちかしら」

「ど、どどっちって……」

「噛みすぎよっ慧」


あまりにも慌てるからテーブルのティーカップが揺れる。


「悪い……でもっこんな恋愛話したことないからなんか、熱いやらかゆいやらで」

「それは分からなくないけど、慧は相手のどこに惹かれたの?」

「……か、かわいい?っていうか、おっちょこちょい……って褒めるとこじゃないよな。えっと……」


なるほど、なるほど。
これはもう分かった。



「春夏冬さん、かわいらしいものね」

「……っ!?」


にこりと笑って告げれば、ガタンッ!と椅子から落ちそうになった慧。……さっきから動揺がすごい。

< 213 / 233 >

この作品をシェア

pagetop