重いけどいいの?お嬢サマ
おっちょこちょい、という点でバレないわけがないのに。
「そ、うなんだけど!!でもな、不味いよな……!?執事だぞ!?」
「それは……まぁそうだけど。この前慧は私に言ったじゃない。隠れて付き合うことは出来るって。この言葉、そのままお返しするわよ?」
お菓子をつまみまたお茶を飲めば、慧はテーブルに突っ伏した。
椅子ごと慧のそばに移動して背中を擦れば、
「……わたしは器用じゃないからそんなこと出来やしないだろっ絶対。春夏冬だってあれなんだから無理だ。そもそも春夏冬はわたしをどう思ってるのかなぁ……」
今度は落ち込みムード。
「慧も女の子なんだねぇ……」
「わたしはもとから女だぞ?」
「そういうことじゃないの。でもいいじゃない。春夏冬さん、見てるとハラハラするけど素直だし」
「そうなんだよっ!ほんと美青はわたしの気持ちが分かってる!理解者だ」
慧は思いきり顔を上げて私の手を握りしめる。
ほんのり染まったままの顔は、好きな人の話をしているまさに女の子の顔で。
男勝りなところがあるなかで、この一面はとてもかわいらしいと私でも思う。
「で、どうするの?」
「少しずつ、春夏冬と色々話すようにしよと……さすがのわたしでもいきなり好きだとか言えないしな」
「そっか」
「それで、美青は何を話したいんだ?わたしのターンはまず切りがいいから終わり。どうぞ」