重いけどいいの?お嬢サマ


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慧と恋バナをしてからというもの、よそよそしい態度はいかんと自分に言い聞かせ、悟らせないよう毅然として見せていた。

慧は少し慌てぶりが垣間見え、春夏冬さんに不思議がられることが時折あるけど、春夏冬さんも私たち同様疎い側なのか、笑って流している。


私は矢絃への返事はだいぶまとまり、言うタイミングを考えながら、


そもそも何故奏矢を?と自問自答する日々。


顔がいい、とかはそんなこと出会った当初から分かっていたことだし。
それなら執事として?あの出会いたての乱暴口調が、執事モードの時は別人のように紳士的になる……でもこれもきっかけとは思えない。

一体私は奏矢のどこに──



「──嬢……お嬢?」


「っ……なに?」


急に視界に奏矢が入り込んできて、思わず背筋が伸びる。



「だーから、この間の夜に女子会とか言ってたけどよ、なんの話だったんだってこと」


「……ダメよ。そればっかりは。……そんな顔してもダメなものはダメ。女同士の話なんだから」


ムッ、と口を結び私を睨む執事……二人。
右隣にいる矢絃も顔を覗かせ、こちらは膨れている。


「なんでよ、オレら二人に話したって誰に広まるわけじゃないのに?」

「それでもダメ」


ケチ、なんて声を揃えるかなやい。

いくらむつけられようと、好きな人の話!なんて言えるわけないでしょ?


しかも今は私を真ん中に車に乗ってるのよ?
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