重いけどいいの?お嬢サマ



──静かに朝食をとりながら、待つこと五分。


奏矢と矢絃に連れられ、ひとり疲弊気味の春夏冬さんが……


「春夏冬、お前どこにいたんだ。美形執事くんたちに探してもらって」
「もっ!申し訳ございませんでした!」


立ち上がる慧に、深々と頭を下げ謝罪する春夏冬さん。
戻ってきたかなやいに、秋葉さんが尋ねた。


「いったい、うちの春夏冬はどこに居たのですか?ずっと部屋に居たわけではないでしょう?」

「先に部屋へ行って反応がなかったので、矢絃と執事側とお嬢様側とでわかれたんです」
「そしたら、用具室にいて」


『用具室?』


待っていた私たち三人の声が重なる。


「……春夏冬、忘れ物を取りに行ってなんで用具室に辿り着くんだ?説明してくれ」


やれやれと頭を抱え座り直す慧。
説明をと言われた春夏冬さんに、視線は集まっていく。
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