重いけどいいの?お嬢サマ


急に慧が笑いだすものだから、私たちは唖然。


「慧?」
「いやぁ……ははっ、迷子とはまた面白いことをやってくれる。さすが春夏冬!」

「お嬢様……褒めるのは少々違う気が致しますが」
「いいんだいいんだ秋葉、わたしは別に完璧にやれなんて思ってないから。秋葉がしっかりしてる分、春夏冬は抜けてて面白いから。はー朝から笑った」


主である慧が怒りを見せず笑い飛ばし、おまけに褒めてしまうなんて。
この慧の様子に、春夏冬さんの表情はなんとも言えないといった顔だった。


「……け、結果オーライでしょうか?」
「何がですか。後からこの秋葉から物申しますからね」
「う、はい……」


その分、秋葉さんからの厳しくも優しいお叱りが待ってる春夏冬さん。


「奏矢も矢絃もご苦労様。ありがとう」
「本当にありがと美形執事くんたち!」


この後──学園に着いても、慧は春夏冬さんの迷子事件を思いだし、授業中関係なく笑っては先生たちに注意されることを繰り返した。


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