重いけどいいの?お嬢サマ
「た、確かに今となっちゃあ携帯の仕組みなんぞどうってことねぇけど……」
「持たしてもらった当初は、本当に怖かったんだよね……」
携帯を手にした当初って──
『お嬢様が高等部へと上がり、これからは二人が佐藤よりもお嬢様と共に行動する機会が今まで以上に増えます。それはわかっていますね?』
『はい』
『それを踏まえ、こちらを渡しておきます』
二人が執事として佐藤からみっちりと指導を受け、言葉遣いや立ち居振舞いがある程度身に付いてきた頃──
佐藤の部屋で私もまじえ、奏矢と矢絃に携帯を渡したのだ。
『え、これ』
『すごい……』
各々自分の手のひらに乗る携帯を、まじまじと見つめ、目を輝かせていた。
私と会う前から、『携帯なんて持たせてもらったことねぇよ』と奏矢から聞いていたから、嬉しそうな姿を見て、素直に喜ばしかった。