ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
□
「お疲れ様でした、黒崎さん」
ボランティアを終えて、私たちは児童館を後にした。
「いえ、橘さんもお疲れ様でした」
「黒崎さん、疲れてないですか?」
「はい、全然大丈夫です」
子どもたちを持ち上げる「力仕事」をしたにも関わらず、黒崎さんは疲れをまったく見せなかった。やはり身体を鍛えている人は、体力があるのだろう。
「そうだ、橘さん。このあと時間ありますか?」
「ええ、大丈夫です」
「ちょうどこの近くに、行ってみたいカフェがあって……良かったら、一緒に行きませんか?」
「え、ぜひ行きたいです!」
黒崎さんのお誘いにすぐ乗ったものの、予想外に声が弾んでしまい、慌てて口を閉ざす。
(二人きりのデートだって思ってるのは、私だけなのに。……恥ずかしい)
「ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか」
「っ、はい」
とにかく落ち着きなさい!……と内心で自分を叱咤しながら、私は黒崎さんと共にカフェに向けて歩き出した。
(行ってみたいカフェって、どんなところかな? やっぱり、ケーキが美味しいカフェ……とか?)
あれやこれやと考えを巡らしていると、五分ほど歩いたところで、黒崎さんは立ち止まった。
「着いた。ここです」
「……え?」
目の前の可愛らしい看板を見て、私はつい目を見開いた。
店の名前は、「森のケーキ屋さん」。幼児向けの絵本「ケーキ屋さんの一日」に登場する、ケーキ屋さんだ。
「お疲れ様でした、黒崎さん」
ボランティアを終えて、私たちは児童館を後にした。
「いえ、橘さんもお疲れ様でした」
「黒崎さん、疲れてないですか?」
「はい、全然大丈夫です」
子どもたちを持ち上げる「力仕事」をしたにも関わらず、黒崎さんは疲れをまったく見せなかった。やはり身体を鍛えている人は、体力があるのだろう。
「そうだ、橘さん。このあと時間ありますか?」
「ええ、大丈夫です」
「ちょうどこの近くに、行ってみたいカフェがあって……良かったら、一緒に行きませんか?」
「え、ぜひ行きたいです!」
黒崎さんのお誘いにすぐ乗ったものの、予想外に声が弾んでしまい、慌てて口を閉ざす。
(二人きりのデートだって思ってるのは、私だけなのに。……恥ずかしい)
「ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか」
「っ、はい」
とにかく落ち着きなさい!……と内心で自分を叱咤しながら、私は黒崎さんと共にカフェに向けて歩き出した。
(行ってみたいカフェって、どんなところかな? やっぱり、ケーキが美味しいカフェ……とか?)
あれやこれやと考えを巡らしていると、五分ほど歩いたところで、黒崎さんは立ち止まった。
「着いた。ここです」
「……え?」
目の前の可愛らしい看板を見て、私はつい目を見開いた。
店の名前は、「森のケーキ屋さん」。幼児向けの絵本「ケーキ屋さんの一日」に登場する、ケーキ屋さんだ。