ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「え……?」

「分からない? だったら質問を変えましょうか。今の自分は、大和に釣り合うと思う? 釣り合うだけの努力をしてきたの?」

「……っ」

 宇城さんは私に、冷ややかな視線を向けていた。

「大和に助けられた日から、私はずっと努力してきたわ。勉強にお洒落に、ダイエットに……できることは全部よ」

 昔ショートカットだったという宇城さんの髪は、今は艶のあるロングヘアであり、きっちりと毛先が巻かれている。

 顔にはナチュラルメイクが施されており、顔のパーツの魅力を最大限に引き出している。

 「元から美人」というだけでなく、宇城さんは長年努力して、素敵な女性になっていったのだろう。

「有名企業にも就職して、私は外見だけじゃなくて、社会的地位と教養も身につけた。それで橘さんは、彼のために何をやったの?」

「……」

「あ、愛嬌を振りまくだとか、少しばかりお洒落するとか……そういう誰でもできるようなことは、努力とは認めないから」

 宇城さんの言うとおり、私がこれまで‘‘黒崎さんのために’’してきた努力は極わずかなものだ。当然、彼女には敵わないだろう。

(それでも私は……)

 拳を握りかけた時、宇城さんは苛立った口調で続けた。

「ねえ、何か言いなさいよ」

「紫音、いい加減にしろ!!」

「!?」
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