ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
□
「はあ、はあ……っ」
「橘さん、大丈夫ですか?」
「は、はい……息切れしましたけど、なんとか……」
なんとか駅に着いたものの、外は大雨となっていた。駅までの道で本降りになったため、上から下までびしょ濡れである。
そして運悪く、私は白いTシャツを着ていたので、下着の線が透けてしまっていた。シャツを肌から離して誤魔化すものの、このままの格好では、電車に乗れない。
「っ、その……これ、羽織ってください」
黒崎さんはカバンから前開きのパーカーを出して、私に着せた。サイズはぶかぶかだが、身体を隠すには十分だ。
「ありがとうございます……あら?」
見ると、改札の前にはホワイトボードが置かれていて、人だかりができていた。
近づいてみると、ホワイトボードにはこう書かれていた。
『〇✕線について、車両不具合のため全区間運転見合わせ。再開時期未定』
「電車、止まってるみたいです……」
「ウソ……!」
「タクシー乗り場は……」
駅のタクシー乗り場を見たものの、すでに長蛇の列となっていた。タクシーの配車アプリを見てみても、なかなか捕まりそうもない。
「ご家族の方、誰か迎えに来れそうですか?」
「いえ、今日は私以外みんな留守なので……タクシーでなんとか帰ろうと思います」
こればかりは仕方がない。そう思っていると、黒崎さんは意外な提案をしてきたのだった。
「橘さん、その……」
「?」
「この近くで、泊まれるホテルがひとつあるんですけど……どうでしょう」
それは紛れもなく、「お泊まり」のお誘いだった。
「はあ、はあ……っ」
「橘さん、大丈夫ですか?」
「は、はい……息切れしましたけど、なんとか……」
なんとか駅に着いたものの、外は大雨となっていた。駅までの道で本降りになったため、上から下までびしょ濡れである。
そして運悪く、私は白いTシャツを着ていたので、下着の線が透けてしまっていた。シャツを肌から離して誤魔化すものの、このままの格好では、電車に乗れない。
「っ、その……これ、羽織ってください」
黒崎さんはカバンから前開きのパーカーを出して、私に着せた。サイズはぶかぶかだが、身体を隠すには十分だ。
「ありがとうございます……あら?」
見ると、改札の前にはホワイトボードが置かれていて、人だかりができていた。
近づいてみると、ホワイトボードにはこう書かれていた。
『〇✕線について、車両不具合のため全区間運転見合わせ。再開時期未定』
「電車、止まってるみたいです……」
「ウソ……!」
「タクシー乗り場は……」
駅のタクシー乗り場を見たものの、すでに長蛇の列となっていた。タクシーの配車アプリを見てみても、なかなか捕まりそうもない。
「ご家族の方、誰か迎えに来れそうですか?」
「いえ、今日は私以外みんな留守なので……タクシーでなんとか帰ろうと思います」
こればかりは仕方がない。そう思っていると、黒崎さんは意外な提案をしてきたのだった。
「橘さん、その……」
「?」
「この近くで、泊まれるホテルがひとつあるんですけど……どうでしょう」
それは紛れもなく、「お泊まり」のお誘いだった。