ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
 私はそう言ったものの、黒崎さんの返事はなかった。不思議に思っていると、彼は困りきったような声で言った。

「そんなに、煽らないでくださいよ……橘さん。クマが一瞬でオオカミに様変わりすることだってあるんですから」

 クマがオオカミに……というのはつまり、優しい彼が、何かの拍子に獰猛になってしまう、ということだろうか。

 クマ耳を生やした黒崎さんが、知らぬ間にオオカミの耳を生やしている。そんな光景を思い浮かべて、私はつい吹き出してしまった。

「……それはそれで、見たいかも」

「え?」

「冗談です」

「ちょっと……!」

 身体を重ねるだけでなく、心が通いあっている。不思議と私は、そんな気がした。

「ふふっ、意地悪を言い過ぎちゃいましたか?」

「別に……っ、とにかく。痛かったら、すぐ言ってください」

「ふふっ、分かりました」

 私は目を閉じて、そのまま黒崎さんに身を委ねた。
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