ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「そうですね、でも……みんな楽しそうで、何よりです」

「ははっ、違いない」

 会場の遊び場にはボールプール以外にも、エアスライダーなどの空気で膨らました大きな遊具が用意されていた。そこかしこから、嬉しそうな子どもたちの笑い声が聞こえてくる。

「まあ、遊具の方を担当できなかったのは少し心残りですが」

 ほんの少し寂しげに、黒崎は呟いた。

 実は午前中、黒崎さんは遊び場での見守りを担当する予定だった。しかし案の定、子どもたちが彼を怖がってしまったため、急遽バックヤードの荷物搬入に変更となったのである。

「やっぱり、無駄に背が高いのは困ったものです」

「そんな……っ、慣れていけばきっと大丈夫ですよ」

 とは言ったものの、子どもたちに怖がられていては、黒崎さんの自信は減っていく一方だ。

 大人の不安や緊張は子どもにもすぐ伝わるため、これでは一層、黒崎さんが子どもに避けられてしまう。その悪循環をどう断ち切るべきか、私は密かに頭を悩ませていた。

(黒崎さんも、怖がりじゃない子と触れ合えたら、きっと自信に繋がると思うんだけど……)

 そんなことを考えていると、聞き覚えのある声が、どこからか私の名前を呼んだ。

「あっ、優花せんせいだっ!」
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