ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「はーい、そこまで!」

 しばらくすると、葉月ちゃんは手を叩いて言った。その可愛らしい腕には、たくさんの赤いボールが抱えられていた。

「葉月は六つ取れたよ! 優花せんせいは?」

「すごい、いっぱい集められたね! 先生と陽菜ちゃんは、ひとつずつだよ」

 私は右手にひとつボールを握り、陽菜ちゃんにもひとつボールを持たせて言った。

「で、お兄ちゃんは?」

「えっと……五つ、です」

 ぎこちない敬語で、黒崎さんは葉月ちゃんに言った。大の大人が幼子に気を使っているのおかしくて、私は内心、吹き出すのを必死に堪えていた。

「すごーい! たくさん集められたね!」

「っ……、ど、どうも」

 葉月ちゃんはぴょんぴょん飛び跳ねて手を叩き、黒崎さんを褒める。そこでようやく、彼は葉月ちゃんに一緒に遊ぶ仲間と認められたことを理解したようだった。

 黒崎さんは最初驚いていたものの、すぐ嬉しそうに頬を緩ませたのを、私は見逃さなかった。
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