ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女


「ご迷惑おかけして、すみません……っ」

「いえ、どうか気にしないでください」

 立ちくらみを起こした私は、医務室のベッドで横たわっていた。サイドテーブルには、黒崎さんが買ってきてくれたスポーツドリンクが置かれている。

 どうやら私は、知らぬ間に水分補給が不足して脱水症状を起こしたらしい。そんな私を、黒崎さんはここまで運んでくれた。のだ。

「えっと……飲み物のお金、いくらでしたか? 後で払いますので……」

「大した金額じゃないんで、気にしないでください。それ以上に、色々助けていただきましたし、これぐらい出させてください」

「でも……!」

 そんなやり取りを繰り広げていると、枕元に置いていたスマートフォンの画面に、メッセージの受信通知が来た。つい先ほど、母親に連絡していたのだ。

「ご家族は、誰か迎えに来てくれそうですか? ダメならタクシーを呼びますけど」

「は、はい。ちょうど姉が実家にいて、今から車で迎えに来てくれるみたいです。多分、十五分ぐらいで到着するかと思います」

 姉は結婚して実家を出ているものの、家が近所ということもあり、甥っ子を連れてよく家に遊びに来るのだ。

「良かった。だったら、心配ないですね」

 心配そうな顔をしていた黒崎さんは、ようやく表情を和らげた。そんな彼を見て、私は迷惑をかけたという罪悪感にちくりと胸が痛む。
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