ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
　大人二人、そろって迷子。その言葉が頭によぎった瞬間、私は吹き出してしまった。

「ふっ、ふふふっ」

「ちょ、そんな笑わないでくださいよ……！」

「ごめんなさい、ただ、何かもうおかしくって……っ、ふふふっ」

　すっかり笑いのツボに入って抜け出せない私を見て、黒崎さんは最初困惑していたものの、それはだんだんと困ったような笑顔になっていった。

「でもまあ、悲しんでてもどうしようもないですよね」

「ふふっ」

　ようやく私の大笑いが落ち着き始めたところで、遠くから私の名を呼ぶ声が聞こえてきた。

「優花いた！　ごめん、途中で見失っちゃって……」

　そう言った桃子と実夏が歩いてきたと同時に、男性の声が聞こえてきた。

「おーい、大和！　ここにいたのか。いきなりいなくなったからビックリしたわ」

　やって来たのは、男性二人組。おそらく、黒崎さんの友達だろう。

「……って」

「あれ……？」

　桃子と実夏、そして黒崎さんの友達二人は立ち止まり、私と黒崎さんの顔を交互に見比べる。

　まるで、友達と別れてこっそり二人で会っていたと疑われてもおかしくない状況だった。

「え、えーっと……」

「その、これはだな」

　どう誤解を解いたものかと迷っていると、先に口を開いたのは黒崎さんの友達だった。
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