ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「橘さんって、苦手な食べ物とかってあります? あれば俺、食べますよ」

「ありがとうございます、大丈夫です。とりあえず、焼きそばとたこ焼きは分けっこしませんか?」

 話し合った結果、焼きそばとたこ焼きは半分ずつ、焼き鳥は五本入りのため、黒崎さんが三本食べることになった。

「焼き鳥は全部種類が違うみたいですけど、どれが良いです? 俺全部食べられるんで、好きなの選んでください」

「じゃあ、鶏皮とネギマをもらいますね」

 プラスチック容器を使って二人分に分け終わってから、私たちは食べ始めた。

「屋台のご飯って特別感があって美味しいですよね」

「たしかに。たこ焼きも焼きそばも、スーパーのお惣菜で売ってはいますけど……全然違うから不思議です」

 たわいのない話をしながら、二人で食事を楽しむ。

 デートのようなドキドキする異性との食事というよりも、なぜか家族との夕食のような、和気あいあいとした空気が私たちの間には流れていた。

「そう言えば、射的がとってもお上手でしたけど、やっぱりお仕事で使ったりするんですか?」

 食事を半分まで食べ終えたところで、私はそれとなく聞いた。周りの客はビール片手に歓談を楽しんでいたので、私たちの会話も聞いていないだろうと思ったのだ。
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