ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
 争いに巻き込まれる人を出さないためというのは分かるが、問題を起こしている人のことを思っているというのは、目からウロコの考え方だった。

「とりあえず、警察官が射的ぐらいでしか銃の腕を使う機会がない。そんな日が続いてくれるといいんですけどね」

 言い表せない重圧や、責任感も、きっとあるはずだ。しかし黒崎さんは、そういったことを口にしなかった。

(私と違って、黒崎さんって強い人だな……)

 彼に対して、私はただただ尊敬していた。

「それはそうと。イチゴとマスカット、どっち食べます?」

 ちょうど二人ともフルーツ飴以外を食べ終えていたので、黒崎さんは食べ終えたゴミをまとめながら言った。

「三粒ずつあるんで、良かったらじゃんけんして半分こしませんか? 買ったらマスカット二粒で」

「じゃあ、そうしましょうか」

 じゃんけんした結果、私がマスカットを二粒、イチゴを一粒。黒崎さんがマスカット一粒、イチゴを二粒食べることになった。

「ふふっ、甘くて美味しい」

「ええ、とっても」

 昔食べた記憶よりも、フルーツ飴が甘く美味しく感じられたのは、黒崎さんと一緒に食べているからかもしれない。そんなことを思いながら、私はフルーツ飴を咀嚼していた。
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