ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
□
「だいぶ混み合って来ましたね」
花火がもうすぐ始まるということもあり、境内の混み具合は最高潮に達していた。
合縁神社は川沿いにあり、その河川敷で花火が打ち上げられる。間近で見る花火は大迫力ということもあり、毎年大人気なのだ。
花火を見る会場まで、人混みをかき分けるように歩くものの、黒崎さんの後ろを歩いているからか、人にぶつかられることはない。そのため雑踏の中でも、守られているような安心感があった。
「橘さん!」
急に振り向いて、黒崎さんは私を呼んだ。
「は、はい?」
「この先、今以上に混んでるみたいなんで、はぐれないように俺の服か何か、適当に掴んどいてください。それか……」
おずおずと、彼は私に右手を差し出した。
「その……嫌でなければ」
それは、手を繋がないかという、お誘いだった。
少し気まずそうな、言って後悔したかのような黒崎さんの態度を見て、私は首を傾げる。
何を今更、という気持ちだったのだ。
「嫌でなければって、さっき射的の屋台から逃げる時、思いっきり繋いでたじゃないですか。それにこの前体調不良になった時だって、……抱っこしてくれましたし」
「え? ……あっ!!」
私のひとことを聞くやいなや、黒崎さんは驚きの声を上げる。そしてみるみるうちに、顔が赤くなっていった。
「すみません……! なんか、助けなきゃとかどうにかしなきゃとか焦ってると、考えなしに手が出るというか……!」
どうやら今までのスキンシップは、完全なる無意識だったようだ。
「だいぶ混み合って来ましたね」
花火がもうすぐ始まるということもあり、境内の混み具合は最高潮に達していた。
合縁神社は川沿いにあり、その河川敷で花火が打ち上げられる。間近で見る花火は大迫力ということもあり、毎年大人気なのだ。
花火を見る会場まで、人混みをかき分けるように歩くものの、黒崎さんの後ろを歩いているからか、人にぶつかられることはない。そのため雑踏の中でも、守られているような安心感があった。
「橘さん!」
急に振り向いて、黒崎さんは私を呼んだ。
「は、はい?」
「この先、今以上に混んでるみたいなんで、はぐれないように俺の服か何か、適当に掴んどいてください。それか……」
おずおずと、彼は私に右手を差し出した。
「その……嫌でなければ」
それは、手を繋がないかという、お誘いだった。
少し気まずそうな、言って後悔したかのような黒崎さんの態度を見て、私は首を傾げる。
何を今更、という気持ちだったのだ。
「嫌でなければって、さっき射的の屋台から逃げる時、思いっきり繋いでたじゃないですか。それにこの前体調不良になった時だって、……抱っこしてくれましたし」
「え? ……あっ!!」
私のひとことを聞くやいなや、黒崎さんは驚きの声を上げる。そしてみるみるうちに、顔が赤くなっていった。
「すみません……! なんか、助けなきゃとかどうにかしなきゃとか焦ってると、考えなしに手が出るというか……!」
どうやら今までのスキンシップは、完全なる無意識だったようだ。