ガテン系おまわりさんの、溺愛彼女
「サンドイッチ、美味しい！」

「ふふっ、良かった。たくさん食べてね。……その、大和くん、お口に合うと良いのですが」

　翔くんの口元をお手ふきで拭きながら、私は黒崎さんに聞いた。

　家族以外に自分が作ったものを食べてもらうなんて、学生時代にあった友達間のバレンタインチョコの交換以来のことだ。

　手料理が苦手だったらどうしよう、と今更すぎる不安を内心抱いていると、黒崎さんはサンドイッチを三口でぱくぱくっと口に入れた。

　あまりの食べっぷりの良さに驚いていると、黒崎さんは飲み込んでから口を開いた。

「っ、めちゃくちゃ美味しいです。もしかして、挟まってるポテトサラダも手作りですか？」
　
「は、はい……」

「ぼくも、お芋とマヨネーズを混ぜるのお手伝いしたんだよ」

「おお、それはすごいね」

「美味しくなーれ、美味しくなーれってしながら頑張ったんだ！」

　サンドイッチを食べながら、黒崎さんは翔くんの話に相槌を打つ。どうやら翔くんは、無事に黒崎さんを「お友達」と認めてくれたらしい。

「今度の職場見学も、頑張れそうです。ありがとうございます」

　翔くんにお手ふきを渡してから、黒崎さんは言った。
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