その息尽きるまで時間は無限
「がぼっごぼごぼこぼっごばがぼぐぼっっっ!!!」



自分でも分かるほど水に溺れる声と醜い泡の音。


苦しい。

口にあの汚い水が入った。

目が開けられない。

空気が欲しい。

頭を押さえつけないで。

鼻がツンとする。




「はっ…?!…っ…」

やっと酸素が、空気が吸える。

口に水が残っていて、たまらず吐き出す。



「うわっきたなっ」

楓が心底嫌そうに遠ざかる。



あおいはいつの間にかスマホをしまって、見下す目で私を見ていた。

「きったなー!!ちょーウケる!」

目障り、いや、耳障りな高音でケタケタ笑う佳凪。

「ほら、次あおい、やんなって〜♪」

「ええ…うち?でも…」

「大丈夫大丈夫!私一回も成績とか落としてないしさ〜」

「……」

佳凪に押し負けたあおいは、にやっと笑ったかと思うと…私の頭を勢いよく引っ掴み、水に沈めた。
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