五覚魔術師 アルフィーネの備忘録
「いったい何のことですか!?」
「とぼけるな!ずっとお前は違うと調べてやったというのに、この裏切り者め!」
「私はやっていません!」
「ならこの毒は何だというのだ!彼女は、涙ながらに訴えてくれたぞ、貴様のカフェに行ったときに出されたクッキーのにおいが気になってこっそり持ち帰って調べたそうだ。そしたらどうだ!やはり毒物が混入されていたそうだ!それも、最近平民の間ではやっていた病の元になったものが、だ!」
「なんだって!?」
「私の領地ではやっているコクリ病が、まさか…!」
「なんだって!?オレの領地でも流行っている。クソ!あれのせいで我が家の家計は火の車だ!」
コクリ病とは、その症状から名付けられた恐ろしい病の事を現す。
感染するとまず、だんだんが髪が抜け落ちていく(平民は黒髪が多い)。それと同時に黒い斑点が体に浮かび上がり、ひどい高熱や強烈な痛みをもたらす。最後は、ようやく熱や斑点が消え治った!と喜んでいるうちに、まるでうたた寝に誘われるかのように舟をこぎ始め、気付いたら死に至っている。そんな酷く惨い病の、はずだった。
そんな誰もが憎む病が人の手で起こされたモノだとしたら当然こうなるだろうけど。
なんで信じてんの?さっきまで王子の事ボロクソに言ってたのに…アレか。
僕の目に留まったのは、聖女が身に着けたハートのネックレス。さっきまでは普通だったのに、今は妖しい紫色の光が灯っている。
「証拠もある!彼女の話を聞いてまさかと思って調べさせたら、お前のやっているカフェからこれが出てきた!これがなんだかわかるか?俺がお前に誕生日の時に渡したクッキーの缶詰だ!中にはコクリ病を引き起こすための毒と同じ成分が検出されたそうだ!」
「ロイドから聞きました。それはクッキーが好きな貴女のために、わざわざ買いに行かせた思い出の品だと!それを民衆を傷つける凶器の保管場所にするなんて、とても許せません!」
「それは少し前に無くしてしまって…!」
「しつこいぞ!この人の心もない非道な悪魔め!観念しろ、今直ぐ捕らえてやる!衛兵!」
その一声で、控えていた騎士たちが一斉にクローディアを取り囲んだ。
まずいな。完全操られている。
彼女は…!?
「そんな、私はやっていない…私は何も知らない…私は…ヒュッ」
まずい。過呼吸になっている!
僕の出番だ。
「とぼけるな!ずっとお前は違うと調べてやったというのに、この裏切り者め!」
「私はやっていません!」
「ならこの毒は何だというのだ!彼女は、涙ながらに訴えてくれたぞ、貴様のカフェに行ったときに出されたクッキーのにおいが気になってこっそり持ち帰って調べたそうだ。そしたらどうだ!やはり毒物が混入されていたそうだ!それも、最近平民の間ではやっていた病の元になったものが、だ!」
「なんだって!?」
「私の領地ではやっているコクリ病が、まさか…!」
「なんだって!?オレの領地でも流行っている。クソ!あれのせいで我が家の家計は火の車だ!」
コクリ病とは、その症状から名付けられた恐ろしい病の事を現す。
感染するとまず、だんだんが髪が抜け落ちていく(平民は黒髪が多い)。それと同時に黒い斑点が体に浮かび上がり、ひどい高熱や強烈な痛みをもたらす。最後は、ようやく熱や斑点が消え治った!と喜んでいるうちに、まるでうたた寝に誘われるかのように舟をこぎ始め、気付いたら死に至っている。そんな酷く惨い病の、はずだった。
そんな誰もが憎む病が人の手で起こされたモノだとしたら当然こうなるだろうけど。
なんで信じてんの?さっきまで王子の事ボロクソに言ってたのに…アレか。
僕の目に留まったのは、聖女が身に着けたハートのネックレス。さっきまでは普通だったのに、今は妖しい紫色の光が灯っている。
「証拠もある!彼女の話を聞いてまさかと思って調べさせたら、お前のやっているカフェからこれが出てきた!これがなんだかわかるか?俺がお前に誕生日の時に渡したクッキーの缶詰だ!中にはコクリ病を引き起こすための毒と同じ成分が検出されたそうだ!」
「ロイドから聞きました。それはクッキーが好きな貴女のために、わざわざ買いに行かせた思い出の品だと!それを民衆を傷つける凶器の保管場所にするなんて、とても許せません!」
「それは少し前に無くしてしまって…!」
「しつこいぞ!この人の心もない非道な悪魔め!観念しろ、今直ぐ捕らえてやる!衛兵!」
その一声で、控えていた騎士たちが一斉にクローディアを取り囲んだ。
まずいな。完全操られている。
彼女は…!?
「そんな、私はやっていない…私は何も知らない…私は…ヒュッ」
まずい。過呼吸になっている!
僕の出番だ。


