警視正は彼女の心を逮捕する
 退場すると、彼はさっさと歩き出す。

 まだ私の腰に鷹士さんの手が密着している。
 もれなく私も彼の目指す方向へ歩いていくことになる。
 今なら、二人三脚の選手にスカウトされそう。

「さ。帰ろうか、俺達(・・)のスウィートホームへ」

 連れて行かれたのは、美術館近くのパーキング。

 私を助手席に座らせると、問答無用でシートベルトを嵌めてしまう。
 回り込んで彼は運転席のシートに滑り込んだ。

 そのまま発進するのかと思いきや、私の左手をとった。
 なにをするのかと考えるまもなく、彼の唇へと持って行かれてしまう。

「ひぁっ」

 変な声出た!

 鷹士さんは私の手の甲に唇をあてながら、くっくっくとまた喉を震わせる。

「日菜乃は感度がいいな」

 愛撫するような手つきで、私の薬指から指輪を外してしまう。
 あ!

「これは預かる。まだ、日菜乃の気持ちと合ってないようだから」

 
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