警視正は彼女の心を逮捕する
「だったら!」

 しがらみはあるだろうけれど、お父さんもお母さんも宗方の家を出ればいい。
 東京なら、仕事はある。
 お父さんの負債は私の学費だもの、私が払う。
 私が銀行にローンを申込んで、おじ様への借金を返済するから!

 しかし、お父さんは私に続きを言わせなかった。

『俺らはいい。これだけ長く勤めて、色々知ってしまった』

 ……政治家が綺麗ごとで済まないのは、なんとなく理解している。

『だけど、お前だけは。宗方の家からどうしても出してやりたかった』 

 涙が溢れなかったのは、鷹士さんが手を握ってくれたからだ。

『俺らのことはいいから。結婚披露宴しない分、二人の幸せのために回して欲しい』と締めくくられた。

 **

 鷹士さんと話しあった末、神社さんで二人でお参りしたあとフォトウエディングをし、写真データを両親に送ることになった。

 ……彼のご両親には東京へ来て頂いて、ご挨拶を済ませた。

 賀陽のご両親は、ただ温かく私を迎えてくださり。
 お義父さんの『鷹士の初恋が実ってよかった』発言が、彼をおおいに慌てさせたのだった。

 ご両親は、神社参拝やフォトウエディングのあとの会食にも参列してくださった。
 
 お義父さんお義母さんを駅までお送りすると、私達はエスタークホテルという一流ホテルに泊まった。

 
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