【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
⑫いい夫婦になります
お母さんのようになりたい
休憩が終わろうとした時、お母さんからのメッセージで【お父さん、明後日なら休み取れるって】と入ってきた。
「明後日か……」
【わかった。ありがとう】
お母さんにそう返信すると、一旦スマホを閉じる。
「そうだ」
祥太くんにも、とりあえずメッセージ入れておこうかな。 スマホから祥太くんの名前を開き【両親、明後日なら休み取れるって。祥太くんはどう?】とメッセージを入れた。
でも祥太くん、今忙しそうなんだよね……。急に明後日休みとってほしいって言っても、多分難しいよね。
祥太くん今、大きな案件を抱えてるって言ってたし。 ちょっと急だったかな……?
なんて思っていたけど、祥太くんからのメッセージで【明後日ね。了解】とだけ返ってきた。
「絵梨紗ちゃん、休憩お先ね」
「あ、はい。お疲れ様です」
加藤さんが休憩所から出ると、私は残りのお弁当を食べきり、お茶を飲む。
「ごちそうさまでした」
間もなく休憩が終わりそうな私は、急いで歯磨きをしてお店に戻った。
✱ ✱ ✱
「もしもし、祥太くん?」
遅番作業を終えお店の戸締まりを終えた頃、祥太くんから電話がかかってきた。
「絵梨紗、もう仕事終わった?」
「うん、今終わったところ」
祥太くんは「そっか。お疲れ」と優しい声をかけてくれる。
「祥太くんは? まだ仕事中?」
「ああ。ちょっと裁判の資料読んでた」
「そうなんだ。 まだ終わらないんだね」
「まあな」
祥太くん、大変そうだな。