【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
「無理しないでね、祥太くん」
私がそう伝えると、祥太くんは「ああ、ありがとう。 ところで、明後日のことなんだけどさ」と話を降ってくる。
「うん。 やっぱり、明後日は難しいよね。急でごめんね」
私がそう言ったら、祥太くんは「いや、明後日休み取るよ」と言ってくれた。
「えっ、今忙しいんでしょ? そんな、無理しないで大丈夫だよ」
忙しい中で休みを取ってもらうのは、私が逆に申し訳ない。
「いや、代表にも大事な用事だと伝えたら休みを取りなさいと言われたから、大丈夫」
「あ、そうなの?……なんかそれはそれで申し訳ない気もするけど、ありがとう」
祥太くんは「まあ、明後日のために少し残業するけど、仕事に余裕を持たせたいから許してくれ」と私に言ってくれた。
「わかった。 でも、無理だけはしないでね」
「わかってる」
「……祥太くん、仕事頑張ってね」
祥太くんは「ああ、ありがとう」と笑うと、「じゃあ、明日また連絡する」と優しい声をくれる。
「うん、ありがとう。……じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ。気をつけて帰ってな」
「うん」
電話を切った私は、そのまま家へと帰った。
「ただいま」
「おかえり、絵梨紗」
「あ、お母さん、ただいま」
お母さんは私に「絵梨紗、夕飯食べる?」と聞いてくれるけど、私は「ううん、休憩でお弁当食べたから大丈夫」と答えて、洗面所へ行く。
「絵梨紗、ケーキは食べるでしょ?」
「うん、食べる!」
そうだ、ケーキは食べないと。