【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
私は「えっ?」とお母さんを見る。
「それはさ、忘れる必要がなかったってことでしょ? アンタたちは、きっとそういう運命だったってことよ」
「なるほど……。お母さん、ありがとう」
お母さんは私に「絵梨紗がようやく幸せになってくれると思うと、お母さんも肩の荷が下りるわね」と嬉しそうにしていた。
「……あのさ、お母さん」
「ん?」
「私、お母さんのこと尊敬してるよ。 いつかお母さんみたいなお母さんに、なりたいなって思うよ」
いつから私に子供が産まれたら、私もお母さんみたいに強い人になりたいなって思う。
「なれるわよ、絵梨紗なら。 だってお母さんの娘だもの」
「ふふふ。 そうだね」
私もいつか、祥太くんとの子供がほしいな。 祥太くんと素敵な家族を作りたいなって思う。
「お父さん、もう寝ちゃった?」
「ええ。 夜勤続きで忙しかったみたいよ」
「そっか」
お母さんからお父さんの分のケーキも食べて良いと言われたので、遠慮なく食べてしまった。
「お母さん、明後日何時くらいなら大丈夫?」
「何時でもいいわよ。 あ、連れてくるなら……せっかくだし、一緒に食事でもしましょうか」
「あ、うん。 そうだね、そうしようよ」
祥太くんも前にうちの手料理食べたいって言ってたし、いい機会かもしれない。
祥太くんもきっと、喜んでくれると思う。
「絵梨紗、彼氏さんは何が好き?」
「そうだなあ……。基本何でも食べてくれるよ」
「そう。 好きな食べ物はある?」
「コロッケかな」