【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


「でも……」

「本当に、絵梨沙のせいじゃない。……むしろ絵梨沙がそう思わせてくれたから、俺も本当のことを言える気がしたんだ」

 やっぱり祥太くんは優しい。 祥太くんは絶対に私を責めたりしないから。

「祥太くん……続き、聞かせて?」

「ああ。 俺も絵梨沙だから、聞いてほしい」

「うん」

 私は祥太くんの胸の内を聞いたことで、祥太くんが抱えていた不安や努力、そして家族への葛藤を知ることが出来た。
 祥太くんがずっと抱えていた葛藤や不安を、私は二人で乗り越えていきたいと思った。

「絵梨沙……俺は弁護士になって良かったと思ってる。 絵梨沙が俺の話を聞いてくれるおかげで、俺の心はスッキリしたよ。……話して良かった」

 そう言ってもらえて、私も良かった。 私も祥太くんの新しい一面を知ることが出来たし。
 何より、また一つ二人の愛がさらに深まったような気がして嬉しかったから。
 祥太くんの全てを知ることが、私にとっては特別なことなのだ。 全てを知って受け入れて、それを愛おしく思えたら、それが一番幸せなんじゃないかって思った。

「私は祥太くんのこと、もっと知りたいよ。 祥太くんの全てをもっともっと、たくさん知りたい。……だから、祥太くんも遠慮しないで私を頼ってほしいなって思うよ」

 私がそう話すと、祥太くんは「ありがとう」と私を抱きしめてくれる。
 
「今夜は返したくないな」

「……うん。私も、もっと一緒にいたい」

 祥太くんからのキスをもらうと、私たちはお互いに何度もキスを繰り返した。
< 55 / 132 >

この作品をシェア

pagetop