失恋には、甘いものより橋立君。
「おはよう、莉乃。どうしたの、その目は。」

「あ~、昨日の夜ドラマ見てたんだけど、感動して泣きすぎたんだよねー。」

私は早速さっき思いついたウソを言った。

「あんたドラマなんか見ないでしょ。」

しまった…!

お母さんにこのウソは通じないんだった。

私はドラマに興味がなく、全く見ない。

響につくつもりだったウソを、何の迷いもなくお母さんに言ってしまった。

バカだ。バカ野郎!
ヤバイ、ウソだってばれたあぁぁ。

「響君となんかあったんでしょ?」

お母さんは私のことはお見通しだ。

まあ、なんかあった訳じゃなくて、今まで堪えてきた涙が溢れちゃっただけだけど。

「別に…。お母さんには関係ないでしょ!変なとこで首突っ込んでこないでよ!」

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