失恋には、甘いものより橋立君。
あぁ…。
ホントに私はバカだ。

お母さんは何も悪くないのに…。
こんな八つ当たりをしてしまうなんて…。

どうしよう。私、今日何だか変だ。

お母さんはそれ以上は言わないで、朝ごはんの目玉焼きとトーストを机に並べて、

「お母さん今日帰り遅いから夜ご飯は自分で用意しなさい。鍵締めよろしくね。」

と言って仕事に行った。

お母さんはこんな時間に仕事に行かない。
いつも私が家を出てから仕事に行く。

きっと、私に気を遣ってくれたか、居づらかったかのどちらかだ。

あーあ。
私は家族とも響ともうまくいかないんだなぁ…。

お母さんが用意してくれた朝ごはんを急いで食べると、インターホンが鳴った。

響だ。

はーい、と言ってドアを開けると、あらびっくり。
散髪してる…。

相変わらず格好いいなぁ…。
そんなことを思っていると、響の目が点になっていることに気づいた。
あぁ、目のことか。

「おい、どうしたんだよ、その目。」

「昨日ドラマ見てたんだけど、感動して泣きすぎちゃったの。」

「そうか。びっくりしたよ。」 

「心配かけてごめんね。行こっか!」

「おー、そうだな。」

私達は学校へと向かった。

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