失恋には、甘いものより橋立君。
「そういや髪切ったんだね!」

「ああ。結構長くなってきてたからな。スッキリしたよ。」

「だねっ!似合ってるよ。」

こう言うのが精一杯だ。格好いいなんて言えない…。

「ありがと。そういや課題ムズくなかった?」

「あ。」

ヤバい!
昨日課題してる途中で遙香と電話してそのまま寝ちゃったんだった…!

どうしよう、終わってない!
すっかり忘れてた!

「その顔は、やり忘れてたな?」

「う、うん。どうしよ。」

「仕方ねぇな。学校着いたら俺の写せよ!」

「いいの?助かったぁ。ありがとう、響。」

「どういたしまして。その代わり、今度ジュース奢れよ?」 

「いいよ!コーラでいいんでしょ?」

「ああ。約束な。」

ふぅ。良かったぁ。
課題、写させてくれる! 

本当に助かったけど、私ったらやらかしたな。
響の前では頭良い優等生でいたいのに。

なのに課題を忘れるなんて。
大失態だ。

響にかっこ悪いとこ、見せたくないのに。
いつもなら、ちゃんとやってるのに。

今日に限って忘れるなんて。
ついてなさすぎる。
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