失恋には、甘いものより橋立君。
学校に着くと、朝練を終えた遙香が自分の席で勉強をしているのが見えた。

何の勉強してるんだろう…。

響と一緒に遙香の元へ向かうと、

「あ、莉乃おはよう!英単語の小テストヤバいんだけど。全然覚えられない。」

あぁ。
また私はやらかしてしまった。

そうだ、今日は英単語の小テストがあるんだった。
これもすっかり忘れてた。

「莉乃はどうせ完璧に覚えたんでしょ?」

「あ、いや、それが私もまだ完璧に覚えられてなくて…。」

しょうもないウソをついた。

忘れてたなら忘れてたと言えばいいのに。

なのに、どうしても響にバカだと思われたくなくて、ウソをついてしまう。

「えー珍しい。莉乃いつも自信満々なのに。」

「そうだな。しかも今日莉乃課題もやり忘れてるし。」

あーあ。
結局結果は同じだ。

響に変に思われた。

そりゃあ2度も大失態を犯すだなんて、いつもなら絶対ないもん。

今日の私は、ホントにおかしい。
何やってんだろ、ホント。

「莉乃、何かあった?いつもと様子が違うよ?」

鈍感な遙香ですら、そんなことを言う。

「ホントだよ。莉乃、何かあったんなら俺らに相談しろよ。」
< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop