失恋には、甘いものより橋立君。
響もそう言うけれど、私だって何でこんなに失態を繰り返してるのか分からない。

ただ、響のことを考える度に自分が自分でなくなる感じがして、無性に泣きたくなる。

頭の中は響でいっぱいで、四六時中響を中心に私の世界が回ってる。

響が全然私のことを好きになる見込みがないことは分かってはいたけど、もうこの気持ちが溢れ出してしまいそうで…。

でも、届かなくて。

つらくてつらくて今まで堪えてきたけど、もう限界がきている。

私、もう我慢できないよ、響。

「響、今日話がしたいんだけど、放課後、屋上に来てほしい。」 

もう、告ってしまえ!

これ以上この気持ちを制御するのはもう無理だ。

この時の私は、ホントにおかしくなってたみたいだ。

今まで気持ちを押し込めてきた箱が、ついに容量オーバーになったみたい。

せっかく今までずっとずっと抑えてきてたのに、こんなタイミングで告るなんて絶対振られるに決まってる。

それでも私は、振られたっていいから、響にこの想いを伝えようと思った。

きっとこの先ずっと響は私の想いを見透かしてくれないだろう。

それなのになんで、私はずっと振り向いてくれるかもしれないと期待してたんだろう。

私が前に進まなきゃ、いつまで経っても変わらないじゃん。
そんなことを思いながら、私はやっと、この長年の想いを伝える覚悟が出来た。

優しい響なら、振られた後でも、きっと今まで通りに接してくれると思う。

私は少し緊張感が走りながら、響にどういうふうに伝えようかを考えながら、午前の授業を終えた。

ほとんど先生の話、聞いてなかった。
あぁ、家帰ったらちゃんと復習しないとな。
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