失恋には、甘いものより橋立君。
どうして?
そんなのおかしいよ。

姉弟同士で恋なんて、そんなの誰が予想する?

私はずっと、響が恋愛に興味がないと思ってたし、本人だってそう言ってたのに。

でもそれはウソで、ホントはずっと美人な姉に恋してたなんてね…。

私はずっと、響に好きな人がいないことに安心しきってた。
でもホントは、姉弟同士で恋?
バカみたい。
気持ち悪い。 

遥香だってずっとおかしいと思ってた。

どんなに格好いい男の子に告られても、絶対に彼氏を作ろうとはしなかった。
それは、実の弟に恋をしていたからだったんだ。

はぁー。
頭の中がゴチャゴチャで、涙が止まらない。 

私は最初からずっと、叶うはずのない恋をしてたんだ。

でもまさか実の姉に恋してるなんて思わないじゃない?

あぁ~もう!
惨めすぎる。

何で私がこんな目にあわなくちゃいけないの?
なんで?
今まで私が響に振り向いてもらうために努力してきたのは何だったの? 
こんなにも呆気なく水の泡になってしまうの?

苦しい、辛い、悲しい。


午後の授業の始まりの合図のチャイムが鳴っても、私はそのままトイレから出られなかった。 

だって、涙が止まらないし、こんなにパニクってる状態で勉強なんかできない…。

それに、2人の顔を見るのが怖い。

一番の親友と一番の男友達と学校でもずっと一緒だったから、どうしよう。
私、クラスにあの2人以外仲良い人いないのに。
今まで通り仲良くするなんてできないよ。

あー。ホントにどうしよう。

あまりのことでダメージが大きい…。
立ち直れる気がしない。


私はそのままトイレで泣き続けて、午後の授業をサボってしまった。
< 20 / 31 >

この作品をシェア

pagetop