失恋には、甘いものより橋立君。
「そういや、莉乃前髪切った?」

響が私をじっと見て、そんなことを聞いてきた。

「え、うん。切ったよ!気づいてくれたの?」

「そりゃあ、分かるよ。ほぼ毎日会ってるんだから。」

そう、響は些細な変化にもすぐ気づいてくれる。

前髪を切った時はもちろん、私が風邪気味の時だって、顔が赤いからと保健室に連れて行ってくれたり、休日3人で遊びに行った日は、メイクを変えたことや、香水を変えたことまで気づいてくれたりもした。
因みに遙香は些細な変化には全く気づかない。

「えぇ、全然気づかなかったんだけど。響、よく気づくねぇ。」

遙香は鈍感だ。私がガッツリ髪を切った時だって、全く気づいてくれなかった。結局、1週間くらい経った時に、やっと気づいてくれたのだ。

「遙香はホント鈍感だよなー。」

「そんなことないし!響が何事にも敏感すぎる
だけだし!」

「はあ?お前が鈍感すぎるんだろーが。毎日学校で会って話てる莉乃が前髪切ったことにも気づかねぇなんて。」

「何よ!響は女子の変化に敏感すぎるのよ。大体前髪切ったことなんて普通は男子なら気づかないから!莉乃のこと好きすぎるんじゃないの?」

「はあ?何でそうなるんだよ。莉乃のことは妹のようにしか思ってねぇよ。」
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