失恋には、甘いものより橋立君。
「響は誰が好きなの?」

念の為、響に好きな人が出来てないか聞いてみた。

「だから、俺は好きな人なんかいねぇって何回も言ってるだろ。」

良かったぁ。響はまだ好きな人がいない。
じゃあ私にもまだ全然チャンスはある!

今は私のことを妹としてしか見ていなくても、いつか振り向いてくれるかもしれない。

そんな期待を胸に、私は響にこう言った。

「流石にもう高2なんだし、そろそろ好きな人くらい出来てもいいんじゃない?」

「そうかもな。」

響はそう言って、遙香をチラッと見た。

少しだけ、響の顔が赤い気がするのは気のせいだろうか。

「なんか響、顔赤くない?熱あるんじゃないの?」

私は心配になって、響にそう言った。

「いや、気のせいだろ。俺は大丈夫!」

響はそう言った。

なんかさっきから2人が顔を見合わせて焦ったように、少しだけ照れているようにも見えるのも、気のせいだろうか。

チャイムが鳴ると同時に担任の佐原先生が教室に入ってきて、私達は慌てて自分の席に着いた。
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