愛を伝えていたら…
「ことね…?早くしないと逃げられちまうぞ。」

「怖かった…。」 

私はいつの間にか涙がこぼれていた。

「ことね…。くそっ!」

ぎゅっと抱きしめられた。

「ごめんな、ホントごめんな。来るのが遅くなって、ホントごめんな…。怖かったよな。」

卓哉はそう言って抱きしめる力を強くすると、頭をぽんぽんと撫でてくれた。

「卓哉…。来てくれてありがとう。」

私はか細い声でそう言うと、

「ことねと別れた後、知らねぇ女に囲まれて中々抜け出せなかった。ホントは、すぐにでもことねの所に行きたかったのに…。万が一ことねに何かあったら…と思うと怖くなって、走って行ったらやっぱり変なオッサンに抱きしめられてキスされてるし。」

「…。」

卓哉は送っていくって言ってくれたのに、私が聞かなかったせいで結局迷惑かけちゃった…。

「大丈夫。このことは後で警察に相談しに行こう。絶対犯人見つかるよ。」

「嫌だ。」

「え?」

「こんなことされたって知られるの恥ずかしい。親にだってばれるの嫌だ!それに、もう思い出したくない…!」

「でも…!」

「いいから!お願い!誰にも言わないで。秘密にして?」

私は泣きながら必死に言った。
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