幽霊学級
父親がそう声をかけてきたとき、僕は靴も脱がずに家に上がり込んでいた。
ゴミの上に登りそのままカンナちゃんがいた部屋へと走る。
父親が両手を伸ばして僕の体をつかもうとするから、僕はその瞬間にゴミの間から飛び降りて今度は廊下を走った。
沢山のゴミが散乱していて何度もすべて転びそうになりながらもカンナちゃんがいる部屋に滑り込んだ。
ここはダイニングキッチンのようだけれど、やはり同じようにあちこちにゴミが積み上げられている。
「カンナちゃん、行こう」
僕は震えているカンナちゃんの手を掴んで引っ張った。
カンナちゃんはよろけながらもどうにか立ち上がる。
「この、クソガキが! カンナを離せぇ!」
後方から怒号が追いかけてきても足を止めるわけにはいかなかった。
一番大きな窓まで一直線に走り、鍵を開くと草が生え放題の庭へと飛び降りる。
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