白雪姫は、もう目を覚さない

第6話 違う空

期待なんてしない。
でも、あの人の気配が、少しだけ心地よかった。

病気のことにも、私自身にも、まっすぐ目を向けてくれそうな気がした。

誰にも言えない寂しさも、不安も、
何も言わなくても気づかれた気がして。

あの人がまた通るなら、いつもとは違う空を描けるかもしれない。
そんな気がした。
< 22 / 27 >

この作品をシェア

pagetop