白雪姫は、もう目を覚さない
第3章 ひとつずつ、君と

第7話 気づかないふり

俺は、またあの病院に来ていた。

「ボランティア、継続希望って書いてくれたのね。偉いじゃない」

 そう言って、母は少し驚いた顔で笑った。
――別に、そんなつもりはなかった。

でも、なぜか気がつけば、手が勝手にその欄に丸をつけていた。

 
きっと気まぐれだ。
ほんと、それだけ。
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