白雪姫の王子様
「あの......何か用ですか?」

突然、声がして、我に返る。

少女と目が合う。

でも不思議と、少女の目には驚きも警戒もなかった。

ただ静かに、俺を見ていた。

「い、いや、別に……通りかかっただけ」

本当にそれしか言えなかった。

そう言うしかなかった。

「絵、描いてたんだろ」

気まずすぎて、
思ってもないことが勝手に口から出る。

「うん。空、描いてた」

少女はスケッチブックを俺に少しだけ傾ける。

にこっと笑ったその顔が、
思ってたよりずっと“ちゃんと生きてる”顔だった。

病人のくせに、なんでそんな顔ができるんだよ。

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