ゲームでバグりやすい私は、転生してもバグ(の神様)に好かれる
酒場には、お酒やご馳走がたくさん並べられていた。
レルランド村の村長は、お酒が入っているコップをかかげて、「コホンッ」と言った。
「えー、この村を救ってくれた英雄に、乾杯っ!」
「「乾杯っ!!」」
村の人たちが村長に続いて、次々とお酒をかかげて言った。
「いや~、本当にありがとうなぁ!救ってくれて!あんたは命の恩人だよ!」
アリトの父に、焔は背中をバンバン叩かれていた。アリト父には、悪気はなかった。
「あ、ありがとうございます…」
(痛い…)
焔は痛みに耐えながら、愛想笑いをした。
「おい!こっちに来て飲もうぜっ!!」
村の人が、アリト父を呼んだ。
「おう!行くぜ!じゃあ、またな!」
アリト父は、焔から離れた。
(痛かったぁ~…まぁ、悪気はないと思うけどなぁ。)
すると、美味しそうな匂いがして、ぐぅ~とお腹が鳴った。
パクッと、焔は近くにあった料理を口に運んだ。
焔に稲妻が走ったような衝撃がきた。
「なにこれ、おいしいっ!!」
(ゲームで見てたけど、本当においしそうだったんだよなぁ。まさか、食べられる時が来るんなんて、思いもよらなかったなぁ。)
パクパクと、他の料理も食べ進める。
「あ、ホムラ!いた、いた!」
アリトがこちらに駆け寄ってきた。
「ん?何に?」
焔は口の中に食べ物がいっぱいでもごもご言っており、リスみたいなみたいになっていた。
「ホムラはさ、住むところってあるの?」
焔は、ごっくんと食べ物を飲み込んだ。
「住むところ?…あ、忘れてた…」
「えぇ?!忘れてたの?!」
「うん…」
「だったらさ、僕の家へおいでよっ!お母さんも、お父さんも、アリアも、きっと喜んで迎えてくれるよ!」
「うん!ありがと!」
焔は、にっこりと笑って言った。