大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】
第25話 ミト大根役者で頑張る
絶体絶命大ピンチ!
ついにお茶の準備ができあがってしまった。
さて、どうする?
ミトはセルファにお茶を出した後、苦し紛れに言ってみた。
「実は私、セルファのことがあまりに心配で、少し体調を崩してしまったんです」
まさか、こんな事態になろうとは想像もしていなかったので、食事の時間は出されたものを完食しているし、王宮には行っていなくとも離れでは元気に出歩いているというのに。
「そう…だったんですか…」
ミトの動向はセルファに情報が入っているはずだ。
毎日元気いっぱいのミトだと聞いているだろう。
突然体調を崩したと言われて、セルファが戸惑うのは当然だ。
我ながら白々しい。
しかも、思いっきり白々しい。
「昼間、自分の気持ちを盛り上げるために元気に動いていたけど、夜なかなか眠れなくて…」
何とか信じてもらおうと、言葉を続けてみる。
表情を見られないようにミトはうつむいた。
益々白々しい。
「でも、今日セルファの顔を見て安心しました」
うつむきながら言ってみる。
セルファが何を思っているのか、顔を見ていないから想像もできない。
できないから、セルファが何かを言い出す前に、ミトは強行突破することに決めた。
「安心したら、急に眠くなってきちゃいました」
「え?」
「ごめんなさい、少しだけ…眠らせて…、く…だ……ぐー」
「…………………」
ミトは目を閉じ、ソファに体を預けた。
心臓はバクバクしている。
(あまりにも不自然過ぎるよ私ー!)
心の中で自分にツッコミを入れるミト。
しかし、どんなに大根役者であっても、今日の芝居は貫かなくてはならない。
失敗=夜の営みである。
しかも、セルファとしたら、ミトが未経験なのがバレてしまう。
これはミトにとって、そして影にとっても最悪の事態だ。
なんとしても、この危機を回避しなければ。
ついにお茶の準備ができあがってしまった。
さて、どうする?
ミトはセルファにお茶を出した後、苦し紛れに言ってみた。
「実は私、セルファのことがあまりに心配で、少し体調を崩してしまったんです」
まさか、こんな事態になろうとは想像もしていなかったので、食事の時間は出されたものを完食しているし、王宮には行っていなくとも離れでは元気に出歩いているというのに。
「そう…だったんですか…」
ミトの動向はセルファに情報が入っているはずだ。
毎日元気いっぱいのミトだと聞いているだろう。
突然体調を崩したと言われて、セルファが戸惑うのは当然だ。
我ながら白々しい。
しかも、思いっきり白々しい。
「昼間、自分の気持ちを盛り上げるために元気に動いていたけど、夜なかなか眠れなくて…」
何とか信じてもらおうと、言葉を続けてみる。
表情を見られないようにミトはうつむいた。
益々白々しい。
「でも、今日セルファの顔を見て安心しました」
うつむきながら言ってみる。
セルファが何を思っているのか、顔を見ていないから想像もできない。
できないから、セルファが何かを言い出す前に、ミトは強行突破することに決めた。
「安心したら、急に眠くなってきちゃいました」
「え?」
「ごめんなさい、少しだけ…眠らせて…、く…だ……ぐー」
「…………………」
ミトは目を閉じ、ソファに体を預けた。
心臓はバクバクしている。
(あまりにも不自然過ぎるよ私ー!)
心の中で自分にツッコミを入れるミト。
しかし、どんなに大根役者であっても、今日の芝居は貫かなくてはならない。
失敗=夜の営みである。
しかも、セルファとしたら、ミトが未経験なのがバレてしまう。
これはミトにとって、そして影にとっても最悪の事態だ。
なんとしても、この危機を回避しなければ。