大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】
とりあえず、セルファはソファに戻った。
もしミトを抱かずに済むなら、それはむしろ好都合だ。
今日の出来事をそのままユフィーリオに伝えれば良いのだから。
影の病に最初は喜んだセルファだった。
しかし、側室の相手を自分がしなければならなくなったのは想定外で、今度は回復が追いつかない脆弱な影を憎らしく思った。
ユフィーリオ以外の妃と夜を共にすするのは、今までセルファがずっと拒んできたことだったはずなのに。
何よりセルファを苦悩させたのは、思った以上に取り乱すユフィーリオだった。
泣きながら「お願い行かないで」と懇願された。
しかし、影が使えないからと言って、側室を放置するわけにはいかない。
表向きは病から全快しているのに、夜の務めを放棄すれば、下手をしたら妃たちの国との外交問題に発展しかねない。
セルファはユフィーリオを何とか説得して、夜の公務をこなしていた。
最初は憂鬱だったセルファだが、いざ側室と夜を共にすると、思っていたよりもずっと心理的負担は軽かった。
側室との夜は、愛するユフィーリオのそれとは全くの別物だ。むしろ自慰に近い。
アリアには何度も求められ、さすがに辟易したが、それも仕事だと思えば割り切るのは簡単だった。
影にできることが、自分にできないはずがないというプライドもセルファを支えた。
今夜も完全に仕事としてミトの部屋を訪れたセルファである。
本来なら、寝ているミトを起こして役割を果たすべきだろう。
しかし、熟睡してしまったミトを起こすのは忍びない。
セルファは1時間ほどしたらミトを起こすことに決めた。
それで起きなければ、部屋を出るはずの時間にもう一度。
それでも起きなければ置手紙をして部屋を出れば良いだろう。
自分としてはできる努力はしたことになるし、フォローは4日後にすれば充分だ。
(ずっと寝ていてくださいね。お姫様)
セルファもソファで目を閉じた。
昼夜通して忙しく過ごし、その上ユフィーリオへの精神的なケアも加わって、セルファは心身共に疲れていた。
もしミトを抱かずに済むなら、それはむしろ好都合だ。
今日の出来事をそのままユフィーリオに伝えれば良いのだから。
影の病に最初は喜んだセルファだった。
しかし、側室の相手を自分がしなければならなくなったのは想定外で、今度は回復が追いつかない脆弱な影を憎らしく思った。
ユフィーリオ以外の妃と夜を共にすするのは、今までセルファがずっと拒んできたことだったはずなのに。
何よりセルファを苦悩させたのは、思った以上に取り乱すユフィーリオだった。
泣きながら「お願い行かないで」と懇願された。
しかし、影が使えないからと言って、側室を放置するわけにはいかない。
表向きは病から全快しているのに、夜の務めを放棄すれば、下手をしたら妃たちの国との外交問題に発展しかねない。
セルファはユフィーリオを何とか説得して、夜の公務をこなしていた。
最初は憂鬱だったセルファだが、いざ側室と夜を共にすると、思っていたよりもずっと心理的負担は軽かった。
側室との夜は、愛するユフィーリオのそれとは全くの別物だ。むしろ自慰に近い。
アリアには何度も求められ、さすがに辟易したが、それも仕事だと思えば割り切るのは簡単だった。
影にできることが、自分にできないはずがないというプライドもセルファを支えた。
今夜も完全に仕事としてミトの部屋を訪れたセルファである。
本来なら、寝ているミトを起こして役割を果たすべきだろう。
しかし、熟睡してしまったミトを起こすのは忍びない。
セルファは1時間ほどしたらミトを起こすことに決めた。
それで起きなければ、部屋を出るはずの時間にもう一度。
それでも起きなければ置手紙をして部屋を出れば良いだろう。
自分としてはできる努力はしたことになるし、フォローは4日後にすれば充分だ。
(ずっと寝ていてくださいね。お姫様)
セルファもソファで目を閉じた。
昼夜通して忙しく過ごし、その上ユフィーリオへの精神的なケアも加わって、セルファは心身共に疲れていた。