悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
「私がここへいることまではユリウスに伝えないでください。私はまだ帰れないので…」
「わかったよ。君が望むならそうしよう」
今度は私の方がロイへと窺うような視線を向ける。
するとロイはいつもの天使のような笑顔でそれをあっさりと了承してくれた。
よかった。これでユリウスに見つかって強制連行も免れる。
後はこの皇太子の前から姿を消すだけだ。
「ユリウスには君の居場所は教えない。その代わり、ステラには僕に今日1日付き合ってもらうよ」
どうやってロイの前から姿を消そうか思案しているとロイはそう言って私をある場所へと連れて行った。