悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
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別々の部屋を勝ち取った数分後。
私はロイの部屋の隣に用意された部屋にやってきていた。
ここからは時間勝負だ。
まずは今から必要最低限の荷物をさっさとまとめる。あとはそれを持って堂々とここから出るのだ。
周りのメイドや騎士に声をかけられることもあるだろうが、それは「ちょっとお散歩に」とでも言って誤魔化せばいい。
ここに来るまでに持っていた大きな鞄を持たず、必要最低限の装備で外に出る私の言葉を必ず皆信じるだろう。
ポケットというポケットに現金を詰め込み、小さな手持ちの鞄にわずかな着替えを詰め込んだところで、私は早速移動しようと動き出した。
「…っ!」
しかしそれは突然来てしまった息苦しさによって止められてしまった。
よりによって今このタイミングが来てしまうなんて。
こうなったらここで一旦本来の姿に戻り、19歳の姿でここから出ることにしよう。
今の状況を判断し、計画を変えた私は一旦ここから出ることを諦めた。