冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
舞鶴や検事正に怪しまれないよう、その日はとくに個人的な調査をせずまっすぐ帰宅することにした。
マンションに着くとすでに琴里のスニーカーが玄関にあったため、早めに昨日のことを謝ってしまおうと決め、リビングのドアを開ける。
琴里は白いTシャツにナチュラルなレモン色のエプロンを着け、アイランド型キッチンで料理をしている最中。
食堂で調理している時とはまた違う、家庭的でリラックスした姿にぐっとくる。
家事は女性がやるべきだなんて時代錯誤な考えはないが、想いを寄せている相手のエプロン姿は、正直悪くない……。
ついジッと見つめて立ち尽くしていると、俺の帰宅に気づいて顔を上げた琴里がほんのり頬を染めた。
「お、おかえりなさい」
緊張しているのか、口調がぎこちない。それでも昼休みのようにあからさまに逃げられたりはしなかったのでホッとする。
「ああ、ただいま。……なにか手伝おうか?」
とりあえずジャケットを脱ぎ、ダイニングの椅子に掛ける。
昨日は引っ越しの片付けに追われ、適当に買ってきたものを食べた後はシャワーの一件で気まずい空気を自ら作り出してしまったため、こうしたやり取りがなかった。
気恥ずかしいが、それでいて心地の良い胸の高鳴りも感じつつ、キッチンの彼女のもとへ歩み寄る。