冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
病院の場所を聞き、必要なものをバッグに詰めてアパートを飛び出す。病院へはバスも出ているようだけれど、一刻も早く病院に駆けつけたくてタクシーを使った。
いくらけがの程度が軽くても、本人の顔を見るまでは安心できない……。
二十分ほどで、南天総合病院に到着した。タクシーを降りると、指定された夜間の出入り口で用件を告げ、間もなく電話をくれた看護師が迎えに来てくれる。
案内された処置室の前まで行くと、すでに治療を終えたらしい弓弦がベンチに座っていた。
聞いていた通り、怪我をした肘に大きなガーゼが当てられているほかは、目立った傷や痣もない。
看護師に保険証を渡して会計の準備を頼むと、弓弦の隣に腰かけて安堵の息をついた。
「弓弦……よかった。大したことなくて」
顔を見たらようやく気が抜けて、目尻に涙が滲んだ。弓弦は申し訳なさそうに眉を下げ、ペコッと頭を下げる。
「心配かけてごめん」
「ううん、そんなこと気にしないでいいよ。今日は私、アパートに泊まるね。肘が痛いんじゃ色々生活に不自由もあるだろうし」
そもそも私が一緒に住んでいれば、こんな事故に遭うこともなかったのではないか。
たらればになってしまうけどそんな罪悪感もあって、今夜は弓弦と一緒に過ごそうと決めていた。