冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す

 終わった事件……?

 聞き捨てならない言葉に、胸が焼けつくような痛みを覚えた。

 私たち家族はずっとあの事件に縛られ、翻弄され、たくさんのものを失ってきた。

 たとえ父が刑期を終えて帰ってこれたとしても、当時の有罪判決は間違っていたと世間に認めさせるまで、事件は終わらない。

「私には検察組織のことはわかりません。でも、あなた方のように過去の過ちから目を逸らしたりせず、過ちがあるなら正そうとする正義感を持っているからこそ、彼は優秀なんじゃないんですか? 鏡太郎さんは、少しでも疑問を残した事件に目をつぶるなんてこと、絶対にできない人です。だから……私は、彼と一緒に戦うことをやめません」

 怒りと興奮で声を震わせながら、私は舞鶴さんに思いの丈をぶつけた。

 悪いのは鏡太郎さんじゃない。父の事件を握りつぶそうとしている悪意は、もっと別の場所……検察内部にあったのだ。

 それがわかると同時に、鏡太郎さんが私に与えてくれた愛情、かけてくれた言葉のすべてに嘘はなかったのだと、ようやく信じられた。

 今すぐ、彼に本当の想いを打ち明けたい――。

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